2003年7月2日に三苫海岸でアカウミガメの産卵が確認されました、福岡市内でしかも住宅街から200メートほどの場所であったことでマスコミにも大きく取り上げられました、マリンワールドのスタッフや地元有志の皆さんの昼夜問わずの観察や保護の結果、産卵から68日目の9月9日に最初の小亀が這い出しその後次々と孵化して海に帰って行きました。護岸工事などで自然の浜辺が失われていく昨今、身近なウミガメの産卵にふれ自然環境の保護をより一層考えさせられました。


◆三苫海岸でウミガメ産卵のニュースを伝える新聞
2003年7月3日(産卵確認の翌朝)

ウミガメが這った跡

138個の産卵を確認
そして68日後の9月10日


孵化が9月9日から始まり、マリンワールドのスタッフや大勢の住民が見守る中、小亀たちは次々に海へ帰って行きました、照明の使用は小亀に影響するとの事で月明かりだけの中でぼんやりと確認できる程でしたが一所懸命に海にもどる姿は感動ものでした。上は計測時の画像ですこの子亀の体重は20gでしばらくはマリンワールドで育てられるそうです。



2003年三苫海岸での記録
7月2日産卵を確認 産卵数 138個
内 受精卵 126個(91%)
68日目の9月9日頃から孵化が始まりました 内 孵化数 122個(88%)
海に帰った小亀 92匹(66%)
アカウミガメは通常40〜100日、24〜32℃で孵化するそうです、今年は冷夏で24℃以下の日が続き孵化が危ぶまれていましたが、結果として高い孵化率で小亀は戻っていったそうです。
    ◇データはマリンワールドの森学芸員の報告からです(7/19三苫公民館でのウミガメ報告会より)

◆ 三苫浜が産卵に適しているかの考察
        母ガメが産卵場所として選ぶ海岸の条件

 1.海から見て陸が暗い(孵化した小亀は夜の薄明るい海面を目指す為)
  2.産卵場所は障害物が無くきれいな砂浜(護岸や小亀の障害となるゴミ等がない)
    3.穏やかな浜 (産卵時や小亀が穴から出た時に外敵がいない)

   

 ウミガメは基本的に海水の漬かる場所に産卵はしない。三苫浜は波打ち際からの幅が狭くまた百年前から防波堤があり適してない様に思われる。今回は上記の条件にたまたまあって産卵したと考えられる。


 ★ しかし 8年後の2011年10月
三苫浜ではもう産卵はないだろうと思われた8年後の2011年10月、子ガメが海に帰る姿が確認されました。 

 ★ あれから 17年後の2020年10月
 三苫浜にウミガメの死体漂着があったとのことです。






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