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   郵便創設

 福岡・博多両市中の宿駅は、福岡は簀子(すのこ)町、博多は古門戸町に人馬継所が置かれています。人馬継所には札馬(さつま)支配・人足支配が詰め、公儀御用の輸送に従う荷馬・人足の手配指図にあたります。札馬とは、荷物輸送に従うことの免札を下附された馬で、博多継所には30匹と定められていました。総て幕府の統制化にありました。明治4年(1871)太政官布告によって郵便制度が発足しました。福岡簀子町の人馬継所に郵政取扱所が設けられました。これが福岡市における最初の郵便局でした。郵便取扱人に指定されたのは継所で人足支配をしていた唐人町の戌亥(いぬい)屋野上和多三氏でした。福岡では明治6年(1873)になるとこの簀子町郵便取扱所のほかに、橋口町・大工町・湊町・西町・薬院町に切手売捌所と箱場(郵便ポスト)が置かれ、翌々年の明治8年に取扱所は郵便局と改称されました。