70<<  69 >>68

   香椎宮にある筋塀(すじべい)

 香椎宮は724年(神亀元)の社殿の造営によって、香椎廟と称せられている。日本四所宗廟(本朝四所)といいます。明治以来には官幣大社香椎宮と称し、戦後は香椎宮といいます。境内に入り菖蒲池を隔てた先に建つ、重曹の雄大な門で総檜の白木創りの楼門は1568年(天正14)戦火により焼失しましたが、1903年(明治36)に再建されたものです。この楼門には左右から伸びる筋塀があります。壁に白い帯状の線が五本入った定規縁(じょうぎぶち)といわれる築地(ついじ)です。「筋塀」は、もと御所または門跡などの寺院で用いられ、筋の数は格式によって異なり、五本を最上としています。今ではこの制度はありませんが、この筋塀をつけられたのは天皇(天使)の勅許、つまり許可がなければいけませんでした。他の神社にはありません。天皇家と何らかのつながりがある「廟」としてのあかしです。楼門の扉には菊の紋章が使用されています。