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   「曙のつどい」石碑

 『香椎町誌』(町制施行10周年記念)に主なる事件の項に「五・一五事件を香椎温泉で謀議」(P290)と記載があり、内容は「神武会会長大川周明氏の昭和維新の急進思想の流れ汲む九大右翼学生グループ数名は昭和四、五年頃から香椎温泉をアジトとして民間団体、少壮将校らと気脈を通じてしばしば会合、五・一五事件直前には民間団体の巨頭井上日召氏、橘孝三郎氏、頭山秀三氏なども参加、四十余名が会合、テロを謀議した。」とあります。「五・一五事件」は世界恐慌に端を発した昭和大恐慌、企業倒産、社会不安が増していることを背景とし、昭和7年(1932)5月15日、海軍将校を中心とした軍事クーデターです。今年令和3年(2020)は88年目を迎えます。現在地、福岡市東区香椎駅東三丁目(旧香椎温泉所在地)屋敷内に草木に囲まれた「曙のつどい」の石碑が建っています。碑の裏面碑文には「昭和六年二月 陸海軍青年将校 民間有志十数名 ここに會し昭和維新を議す」と刻まれています。