45<< 44 >>43

   博多織の歴史

 博多織の起源は、鎌倉時代に満田(みつた)弥三右衛門(やざえもん)が承天寺の開山円爾(えんに)弁円(聖一国師)ともに渡宋し、唐織(からおり)の技術を学んで伝えたことに始まるといわれている。室町時代後期に博多織中興の祖、竹若(たけわか)藤兵衛と竹若伊右衛門(いえもん)は明の絹織物に改良を加えて帯地に応用し、博多帯の礎を築いた。江戸時代、福岡藩は特産品としてこれを奨励し幕府への献上品としたため「献上博多」と呼ばれるようになり、博多織は全国ブランドとなった。明治初期にはフランスから紋織機(もんおりき)「ジャガード機」が輸入され、生産性はいっきに向上した。戦後の復興期から昭和40年頃まで博多織業界は隆盛をきわめ絶頂期をむかえるが、生活の変化など生産は著しく落ち込む。しかし、締め心地のよい帯地はもとより、ネクタイや財布、バックなど、博多織は根強い人気を誇っている。また後継者育成のため織士養成など伝統技術の継承につとめている。