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   ふくおか人物伝 仙厓

  仙厓義梵(ぎぼん)は、江戸時代後期に活躍した臨済宗の僧侶。白隠(はくいん)、良寛とともに近世禅林(ぜんりん)の三傑と謳われ江戸時代を代表する禅僧の一人として知られている。難解で深遠な禅の教えを、笑いとユーモアにあふれる軽妙洒脱(しゃだつ)な禅画と賛文で表現し、民衆に広める。美濃国(現岐阜県)の農家に生れ、地元の臨済宗・清泰寺(せいたいじ)で得度し、義梵の僧号を得る。その後、修行を重ね、39歳の時に博多に下る。寛政元年(1789)、聖福寺の第123世住持(じゅうじ)となり疲弊していた同寺の復興に尽力し、62歳の時に住持の座を退いて幻住庵(げんじゅあん)の虚白院に隠棲するが、亡くなる前年の87歳になって再び聖福寺の住持(第125世)に任ぜられる。仙厓僧が書画の才を開花させたのは50歳代からで、あくまで自己流に徹し、技巧にとらわれない即興的な筆使いは歳を重ねるほどに熟達していきました。