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   博多の古刹

  博多は、京都につぐほどの「寺の町」です。JR博多駅の博多口から出ると眼前に大博通りが走っており、左右にはビルが建ち並び、車や人が絶え間なく往来するが、大通りの東側に少し入れば、古い町並みや古刹(こさつ)が並び、都会の喧騒を忘れさせてくれる。駅からわずか一キロメートルほどの間を、古き良き博多の面影を見ることができる。博多口の歩道橋を渡り、西鉄インの角から承天寺通りを進むと、まず平成26年3月に「観光のシンボル」として完成した「博多千年門」が迎えてくれる。かって博多から太宰府政庁に通じる官道途中にあったという、瓦葺きの四脚門に倣ったものだ。門扉(もんひ)は太宰府天満宮から寄贈された。樹齢千年の楠財を使っている。その先、臨済宗の承天寺は仁治2年(1241)、宋から帰朝した弁円(のち聖一国師)が開山し、宋の帰化人で貿易商の謝国明と太宰少弐の武藤氏が創建した。うどんや饅頭の「発祥地」と称しているのは、弁円師が大陸から製粉技術を持ち帰り、広めたという。