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   土鈴も作った与一

  博多人形師の故小島与一さんが土鈴も作っていた。それは福岡市東区香椎駅東3丁目にある元香椎温泉で、このほど与一銘の入った「獅子頭土鈴」が見つかった。昭和23年(1948)の福岡国体の時、謂われて与一氏が作った。戦後では唯一の博多人形以外の作品とみられ、地元では「与一作とは珍しか、それも国体が一巡してきた年に見つかるなんて」と話題を呼んでいる。 土鈴は赤と緑の対。縦横とも四・五センチ、高さが四・五センチと五センチの二種類、裏には「与一」とともに「香椎」の文字が焼き込んであった。説明書によると「香椎宮で毎年四月に行われる春の祭で奉納される「獅子楽」にちなみ、考案され、原型を小島与一師に依頼した」とあった。製造元の「はくせん」の説明では、土鈴は昭和23年の福岡国体に合わせ、観光土産として売り出した。社長は「与一師に原型を頼んだので間違いない。与一師が土鈴をつくったのはこれだけで、製造は一回限りだったと思う」と語った。