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   亀山上皇像と日蓮上人像

  東公園に、元寇を顕彰する記念碑として建設され、明治37年(1904)に完成したのが、亀山上皇と日蓮上人の銅像である。制作の契機は、福岡に赴任した警察署長・湯地丈雄(たけお)が元寇にゆかりの地に、記念碑を建設しようと決意したことに始まる。明治21年全国に募金の広告と運動を開始した。運動の賛成者に、日蓮宗僧侶の佐野前励(ぜんれい)がおり、以後湯地氏と佐野氏は16年もの長きに熱心に活動した。誰の銅像を建てるかは決定されず、湯地氏と佐野氏は別々に活動する。
  湯地氏は元寇に際して国家の安全を祈願したという亀山上皇を、佐野氏は元寇の襲来を予言した宗祖・日蓮上人を像主に選びそれぞれが取り組むことになった。運動は、佐野氏を中心とした日蓮宗の方がスムーズに進んだ。一方、湯地氏らの運動は難航したが、彫刻家・山崎朝雲(ちょううん)[福岡県出身]に像の原型製作を依頼する。東公園の銅像は、百数年の時を超えて製作当初の姿を保っている。

亀山上皇像 日蓮上人像