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   箱崎の元寇防塁

 平成30(2018)年3月1日、現地説明会が実施。九州大学では、移転事業にともない、箱崎キャンパスの埋蔵文化財調査を進めています。箱崎キャンパスは箱崎遺跡の一部で、キャンパスの北側に接する、蒙古襲来に際して築かれた、国指定史跡元寇防塁があります。大正9(1920)年に武谷水城氏によって発掘され、この延長線上に位置する箱崎キャンパス内を南北に貫くかたちで元寇防塁が築かれています。平成28年度に行われた中央図書館前南地点では、石積み遺構が確認されています。今回の発掘調査では九州大学箱崎キャンパス中央図書館前北地点で、南地点で発見された石積み遺構から北に約50mの地点において、その続きが新たにみつかりました。これは、博多湾に面して連続的に築かれた、箱崎地区の元寇防塁の一部である可能性が高いといえます。これは、大正時代に中山平次郎九州大学医学部教授が主張した、箱崎キャンパス内を南北に貫く元寇防塁の推定ラインとほぼ一致します。