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   海軍炭鉱の石炭を運ぶため造られた香椎線

  この線は、糟屋郡須恵村にある海軍炭鉱の石炭を同郡志賀島村の港まで運ぶために造られた鉄道でした。途中で鹿児島本線の線と交差するから香椎駅にも寄っただけのことでした。
  海軍炭鉱は、海軍が良質の石炭を探し求めて、明治23年(1890)糟屋郡須恵村新原(しんばる)に自前の炭鉱を開庁したもの、堀り出された石炭は荷車に積み、約12キロの道を人が引いて那珂郡千代村の官営林の中にある海軍の千代村貯炭庫に運んでいた。博多港に運搬船が入港すると請負人が貯炭庫から港まで荷車を引いて運んでいた。しかし荷車では運ぶ量も少ないし、時間もかかっていた。そこで博多湾鉄道会社が創設され、会社のそばに西戸崎港を造り、須恵村の海軍炭鉱の石炭を貨物列車で運び、船に積んで呉軍港などに輸送することになった。線路敷設工事は西戸崎側から始まり、明治37年(1904)1月1日、須恵駅まで完成したとこでまず開業した。


画像は「西日本鉄道百年史」より転載